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サイレントワールド

第13章 PARTNER&ENEMY VS DOG&MONKY

『『ポセイドン』…あれがお前の『子』か?』
『いや。』
誰かの言葉をポセイドンは静かに否定する。
『俺の『子』は『凪』だ。あいつではない。』
『ふふっ。』
『…何がおかしい『アフロディテ』。』『いえ?でも出来の悪い『子』を持つと苦労しそうね?』
『出来が悪い?』
『ええ。そうでしょう?あのゴミみたいなの。』
そう言って『アフロディテ』が指差したモニターには泣いている伊川と未来が映っていた。
あたりから密かな笑い声が聞こえてくる。
『あんなのよりいい『子』を造らない?私とあなたで…。』
そう言って座っている椅子から身を乗り出し『ポセイドン』に体を絡める。
『…誘っているのか?』
『ええ…。あんな女より私の方がいい女でしょう?最近欲求不満だったしいいかなって。』
そう言って艶めかしく笑う。
その顔はゾッとするほど美しかった。
『…ククッ。』
その笑いを肯定と受け取ったのか『アフロディテ』が『ポセイドン』の顔に唇を近づけた。
その唇が触れる寸前『ポセイドン』は声を発した。
『笑わせるな売女が。』
『…なんですって!?』
『お前みたいな快感だけを求めてるようなやつとは交わりたくない。穢れる。…それに。』
淡々と『ポセイドン』は続ける。
『俺の『子』は強い。』
『それはあなたがあの女を使って無理やり作り出した『凪』って『子』でしょう?確かにあの『子』は強かったけど今は…。』
『だが、『渚』はもっと強い。』
『ポセイドン』は言い切った。
『…確かに『凪』の方が使いやすかったが元々能力は『渚』の方が高い。処分しようとしたのは『オリンポス』の邪魔になる可能性があったからだ。』
だからと『ポセイドン』は続ける。
『…俺の『子』を馬鹿にするな。』
モニターでは伊川が微かな笑みを浮かべていた。

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