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記憶奪還ゲーム…。それはあの世界から脱出を果たした後記憶を奪われた者たちで行われた。
ルールは自分の記憶を媒体にしたモンスターを探して撃破すること。
そうすれば記憶は全て戻ってくる…。
「ただ…そのゲームの参加者には一つ注意しなくてはいけないことがあった…。それは『ハンター』の存在。」
『『ハンター』…？』
「そう。『ハンター』って言葉を日本語に訳すと…。」
『『狩人』。つまりゲーム参加者…プレイヤーを襲撃する存在って訳か…。』
「そう。私もそのゲームに参加してプレイヤーが『狩人』にやられるところを何回も見たわ。そしてその『狩人』の犠牲者の中に…彼がいた。」
『翔…？』
「そう。記憶奪還ゲームのルールの中にもやられたら記憶を奪われるっていうのがあって彼はその影響で…。」
『記憶をなくした…。』
「彼が学校にこない理由はそれよ。」
『…翔の記憶を消したその『ハンター』っていうのはシステムに用意されたモンスターなのか？』
その言葉を聞いて伊川は少し迷うような素振りをみせた。
「…モンスターじゃない。『ハンター』はプレイヤーよ。」
『プレイヤーがプレイヤーを殺す!?』
「うん…。正確には今川君や私たちがいたあの世界…『サイレントワールド』のプレイヤーよ。」
『『サイレントワールド』？あの世界の名前がそれなのか？』
「うん。」
『じゃあそこにいたプレイヤーが記憶奪還ゲームの参加者を狩る役目を…？どうして？』
「恐らく…。」
伊川がその続きを口にすることはできなかった。
なぜなら
「ようこそ!!プレイヤー諸君。では我ら『オリンポス』が作り上げた新たなゲーム…いや世界の始まりだ！」
上空から響いたその声と共に未来と伊川は別々の場所に移動させられてしまった。