サイレントワールド
第11章 HUNTER
ザグッと鎌が皮膚を貫通して反対側に飛び出す。
直後血が流れ出す。
だがそんな状況になっても痛みは感じない。
ただ痺れるような感覚が不快感をもたらすだけだ。
持ち主の手が震え鎌から手がはずれる。
左上に伸びるゲージはじりじりと削れていく。
だがゲージが全て削れる事はなくピタリと止まる。
「あ…。」
伊川は鎌に貫かれた未来の右手を見ていた。
鎌の先端は伊川の首の手前で止まっていた。
「全く…本当に死ぬ気でやりやがって…。」
右手から鎌を抜く。
途端に溢れ出す血が地面を濡らす。
「…これ出血多量で死んだりしないよな?」
冗談めかして言う未来に伊川は手を伸ばす。
「…やめてよ…。」
血が溢れ出す未来の右手を両手で包み込む。
「私は死にたかったのに…。」
例え仮想の世界でも例え偽物の死だとしても死んでしまいたかった。
伊川は呟く。
「っ…!」
未来の右手に力がこもる。
伊川の手を振り払い襟首を掴む。
「…死にたい…?」
震える声で呟く。
「死んで…終わると思ってんのか?」
「思ってないよ…。でも。」
「じゃあ死ぬなよ!!!」
未来が叫ぶ。
「死ぬのは償いか!?それともお前が楽になりたいだけか!?どっちにしろそんなの間違ってんだろ!?」
未来の言葉は止まらない。
「償う方法なんていくらでもある!!死んだらなんも変わらない!!ただ数日して生き返るだけだろ?そんなの何の意味もねぇよ!あいつみたいな…。」
未来の言葉が止まる。
未来の目には不意にやりきれなさが浮かんでいた。
伊川はその目に気づいた。
「…確かに今川君の言うとおりだよ…。でもまだ死ななくちゃいけないって自分がいる…。だから」
未来の背中に手を回す。
「…今川君教えて?今川君が何か過去に傷をおってるよね?…『あいつ』って誰なの?」
一瞬の静寂。
「…あいつは今のお前みたいな奴だ。…今これを話すことは意味があるのかもな…。」
未来はゆっくりと話を始めた。
直後血が流れ出す。
だがそんな状況になっても痛みは感じない。
ただ痺れるような感覚が不快感をもたらすだけだ。
持ち主の手が震え鎌から手がはずれる。
左上に伸びるゲージはじりじりと削れていく。
だがゲージが全て削れる事はなくピタリと止まる。
「あ…。」
伊川は鎌に貫かれた未来の右手を見ていた。
鎌の先端は伊川の首の手前で止まっていた。
「全く…本当に死ぬ気でやりやがって…。」
右手から鎌を抜く。
途端に溢れ出す血が地面を濡らす。
「…これ出血多量で死んだりしないよな?」
冗談めかして言う未来に伊川は手を伸ばす。
「…やめてよ…。」
血が溢れ出す未来の右手を両手で包み込む。
「私は死にたかったのに…。」
例え仮想の世界でも例え偽物の死だとしても死んでしまいたかった。
伊川は呟く。
「っ…!」
未来の右手に力がこもる。
伊川の手を振り払い襟首を掴む。
「…死にたい…?」
震える声で呟く。
「死んで…終わると思ってんのか?」
「思ってないよ…。でも。」
「じゃあ死ぬなよ!!!」
未来が叫ぶ。
「死ぬのは償いか!?それともお前が楽になりたいだけか!?どっちにしろそんなの間違ってんだろ!?」
未来の言葉は止まらない。
「償う方法なんていくらでもある!!死んだらなんも変わらない!!ただ数日して生き返るだけだろ?そんなの何の意味もねぇよ!あいつみたいな…。」
未来の言葉が止まる。
未来の目には不意にやりきれなさが浮かんでいた。
伊川はその目に気づいた。
「…確かに今川君の言うとおりだよ…。でもまだ死ななくちゃいけないって自分がいる…。だから」
未来の背中に手を回す。
「…今川君教えて?今川君が何か過去に傷をおってるよね?…『あいつ』って誰なの?」
一瞬の静寂。
「…あいつは今のお前みたいな奴だ。…今これを話すことは意味があるのかもな…。」
未来はゆっくりと話を始めた。