サイレントワールド
第12章 FUTURE MEMORY
『それがお前の決断か…。』
『オリンポス』のメンバーの一人は呟いた。
伊川が未来に言った言葉をこの男も聞いていた。
但し場所は遠く離れた場所だったが。
『凪は…出てこなかったか。』
凪は伊川のもう一つの人格。
争いが嫌いな伊川が生み出した『ハンター』としての自分。
『あいつが『ハンター』であることを止めたのならもう現れないかもな…。』
残念だと呟く。
たとえ伊川…いや渚が自分の娘だとしても自分が好きだったのは凪だった。
『なあお前はどう思う。海音(うみね)。』
モニターだらけの部屋の奥には一人の女性がいた。
手にブレスレットのようなものをつけている。
海音と呼ばれた女性は伊川を見ると安堵を感じたようにほっと息を吐いた。
「渚…あなたの決断を私は信じるわ。…頑張って。」
声が届くはずもないが海音はそう渚に語りかけた。
「ふん。相変わらず俺たちの計画には反対ってわけか。」
男は吐き捨てる。
「当たり前よ…。それよりいい加減このブレスレットをはずしてもらえないかしら?…母である私が渚に迷惑をかけ続ける訳にはいかない。」
男を睨みつけ海音は言う。
「それは無理だな…。そのブレスレットに入ってる思い出を奪う薬が俺たちの命綱だからな。…海音。お前にはあいつらに会われては困るんでな。」
そう言い男はどこかへ行く準備をする。
「…どこへ行くつもりなの?」
その質問に答えず男はドアノブに手をかける。
「渚…お前の決断が果たして本当に正しいのか…。『オリンポス』の一人この『ポセイドン』が確かめてやる。」
男はドアノブを回した。
『オリンポス』のメンバーの一人は呟いた。
伊川が未来に言った言葉をこの男も聞いていた。
但し場所は遠く離れた場所だったが。
『凪は…出てこなかったか。』
凪は伊川のもう一つの人格。
争いが嫌いな伊川が生み出した『ハンター』としての自分。
『あいつが『ハンター』であることを止めたのならもう現れないかもな…。』
残念だと呟く。
たとえ伊川…いや渚が自分の娘だとしても自分が好きだったのは凪だった。
『なあお前はどう思う。海音(うみね)。』
モニターだらけの部屋の奥には一人の女性がいた。
手にブレスレットのようなものをつけている。
海音と呼ばれた女性は伊川を見ると安堵を感じたようにほっと息を吐いた。
「渚…あなたの決断を私は信じるわ。…頑張って。」
声が届くはずもないが海音はそう渚に語りかけた。
「ふん。相変わらず俺たちの計画には反対ってわけか。」
男は吐き捨てる。
「当たり前よ…。それよりいい加減このブレスレットをはずしてもらえないかしら?…母である私が渚に迷惑をかけ続ける訳にはいかない。」
男を睨みつけ海音は言う。
「それは無理だな…。そのブレスレットに入ってる思い出を奪う薬が俺たちの命綱だからな。…海音。お前にはあいつらに会われては困るんでな。」
そう言い男はどこかへ行く準備をする。
「…どこへ行くつもりなの?」
その質問に答えず男はドアノブに手をかける。
「渚…お前の決断が果たして本当に正しいのか…。『オリンポス』の一人この『ポセイドン』が確かめてやる。」
男はドアノブを回した。