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『チッ。』
『グルァッ！』
闇犬の爪をかわし距離をとる。
未来と渚は二人だから何とかなるはずだな…。
水人は油断なく闇犬に『トリアイナ』をむける。
闇犬の攻撃を弾きいなしながらもこの状況を打破する方法を考える。
まず今の俺はレベル１。
そもそも『オリンポス』は管理者側なのでアカウントは作っていてもレベルをあげようという奴はいなかった…ハズだ。
ハズというのは基本的に『オリンポス』はお互いに干渉したりしないので各々の行動が読めないのだ。
それにレベルは端的に言えば強さとイコールになるので戦争の神『アレス』なんかはレベルをあげているかもしれない。
後は『無敵』システムは使えない。
恐らく『アテナ』がデータがほしいなんて言って勝手に解除してるのだろう。
『アテナ』は戦略とか練るのが大好きだからな。
おもしろ半分で『オリンポス』とプレイヤーたちが戦ったらどうなるかとか考えてるのかもしれない。
とにかく今の俺はレベル１のプレイヤー。
『オリンポス』の力は使えないと思ったほうがいいだろう。
対して敵は誰かが凶暴化させたモンスター。
しかも特大の。
俺がただのレベル１だったら俺は何もできずに死んでいるだろう。
ガッと『トリアイナ』を闇犬の牙とぶつけ合いながらなおも打開策を考える。
となると俺の元々の戦闘スキルと『オリンポス』用のプレイヤースキルとウェポンスキルを使い勝つ。
それしかないだろう。
とりあえず攻撃を弾き距離をとる。
…まずはウェポンスキル『海神』。
ザバァッと効果音が響き『トリアイナ』を青い光が包む。
『『オーシャンフォール』!!』
水人が『トリアイナ』を振ると共に巨大な波が溢れ出す。
その波がなすすべもなく凍りつく闇犬に直撃した。