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Gentle rain

第6章 求めあう気持ち

それが悲しかった。

こんなにも、階堂さんが好きなのに、それを伝えてはいけないなんて。

「嫌なら、嫌だって断れば……」

そうあなたに言われて、咄嗟に出た言葉。

「嫌じゃない!」

どうして、好きな人に抱かれる事が嫌だと言う人がいるの?

私はそう、叫びたかった。

でもその想いは真っ直ぐ届いたのか、あなたは私の身体に、たくさんの熱いくちづけをくれた。

あなたの温かい手が、あなたの柔らかい唇が、私の身体に触れる度に、幸せが広がっていって、二人の身体が一つになった時の快感は、味わったことがないものだった。

ふと目を開けて、あなたを見た時の、その真剣な表情。

その表情に、胸が締め付けられて、私は思わずあなたの体を抱き寄せた。

それなのに、あなたの身体と私の身体に、隙間なんてないくらいに、強く抱いてくれて。

あなたの下でないている私は、心の底から思った。




女に生まれてきて、よかったって。

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