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Gentle rain

第6章 求めあう気持ち

私は思わず自分の身体を、ぎゅうっと抱え込んだ。

「美雨?」

私の異変に気づいた兄さんは、不思議そうに私を覗き込む。

「大丈夫か?」

「ううん…何でもないの。」

あの日の事を思い出すと、胸がキュウっと締め付けられる。


階堂さんに出会えた事が愛おしくて。

階堂さんと二人きりで食事ができた事が嬉しくて。

階堂さんと花火を見た事が夢のようで。

階堂さんが結婚すると聞いて切なくて。

たった一日でいろんな感情が、私を襲った。


「なんだか…俺の知っている美雨じゃないみたいだ。」

「えっ?」

兄さんは、相変わらずワインを飲みながら、私を見て寂しく笑った。

「彼氏でもできたのか?」

「どうして?」

「美雨の今の表情。完全に恋愛している女の顔だよ。」

そこまで、私の顔は今の心情を写していたのか。

自分でもわからなかった。

「でもなぜか少し……苦しそうだな。」

兄さんの言葉に、私はうつむく。

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