テキストサイズ

Gentle rain

第7章 心と体

可笑しな事に、彼の一言一言が、手が止まる程常識外の返事だった。

「昼飯って、時間大丈夫なの?歩いて20分もかかるんでしょ?」

「ああ、自分は特に時間の制限はないので。」

「……あっ、そうなんだ。」

まだ20代半ば程だというのに、なぜか高待遇を受けている彼は、中身も少しの事では動じない、肝の据わった目をしていた。

「実は俺も、知り合いと昼飯食べに来たんだよ。」

「知っています。俺も同じ店にいたんで。」

「あっ、いたんだ。声、掛けてくれればよかったのに。」

これにもさすがの三科君も、嬉しそうに笑った。

「そうだ。またこの辺まで昼飯食べに来るなら、俺に連絡して。時間が合えば、昼飯一緒に食べよう。」

「いいですね。階堂さんと昼飯って。」

俺はポケットから携帯を取り出した。

「俺の連絡先教えるよ。」

今の携帯は振るだけで、連絡先を交換できるから便利だ。

「ありがとうございます。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ