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Gentle rain

第7章 心と体

三科君の連絡先が、俺の携帯に映った。

「一緒にいたお知り合いの方って、森川社長のお嬢様ですよね。」

ちらっと彼を見ると、携帯ではなく俺を見ていた。

「ああ、そうだよ。」

知っているのなら、隠す必要もない。

「付き合っているんですか?」

「いや……」

「気をつけた方がいいですよ。あの女には。」


何を知っている?

思えばこの男、最初から俺を知っていたし、俺の会社の場所まで知っていた。

今度は何を俺に吹き込もうとしているんだ?


「……何が言いたい?」

「やだな、怒らないで下さいよ。深い仲になるつもりなら、相当覚悟が必要だって言いたいんです。」


俺には益々、その真意がわからなかった。


「階堂さんは、他に社長令嬢の方を知っていますか?」

「……数人知っているが?」


父親はどこどこの会社の社長。

相手の女性の中身よりも、先に入る情報。


「あの人達の結婚相手って、社長が多いって知ってます?」

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