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Gentle rain

第7章 心と体

恍惚な瞳が、恥ずかしそうに目を潤ませる。

「そんなこと、できない……」

「うん……」

確かに一つになるには、限界がある。

我々は男と女であって、別々な個体。

いくら人間としての愛情があっても、生き物としての欲求が済めば、それは終わってしまう。

「離れたくないんだ。」

「敦弥さん?……」

「体と一緒に、心も求めてしまう。」


なんて切ないんだろう。

まるで胸が引き裂かれそうだ。


「美雨。君の体がほしい。でもそれ以上に、君の心がほしいんだ。」


今まで散々、他の女で身体だけを重ねてきた。

それでもよかった。

欲求が満たされれば、それで。


「私もよ、敦弥さん。」

美雨は俺の首に腕をまわした。

「私も敦弥さんの身体と一緒に心がほしいの。私の全てを焼き尽くすような熱い身体と、心が溶け合うような熱い心が。」

そして俺達は、貪るようなキスを交わした。


もう美雨は俺の一部で、俺は美雨の一部のような気が、その時したんだ。

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