Gentle rain
第3章 愛してるの基準
夏目太我に初めて出会ったのは、社長たちが集まる懇親会でのことだった。
両親を亡くし、その後を継いだばかりの夏目の周りには、両親を慕って集まってきた輩たちが、やたらウロウロしていた。
ほんの一か月前まで大学生だった面影をそのまま残して、彼はその対応を懸命にこなそうとしていた。
そんな夏目に声を掛けたのは、一通り挨拶が済んだ輩達がいなくなってからだった。
「疲れたでしょう。」
突然横から声を掛けた俺に、夏目は急に振り向いた。
「い、いえ……」
俺も両親に世話になった関係だと、一瞬で察したのか、ついさっきまで見せていた大学生のあどけなさを、必死に隠そうとしていた。
「それにしても、すごい数の人達だった。でも無理はない。あなたのお父上は、とても慕われていた方だったからな。」
今まで対応してきた人間とはまた違う雰囲気の俺に、夏目はまだ警戒心を解かなかった。
それでも熱心に彼に話しかけ続けたのは、俺が“両親を慕って”来た人間ではない事を知って欲しかったからだ。
両親を亡くし、その後を継いだばかりの夏目の周りには、両親を慕って集まってきた輩たちが、やたらウロウロしていた。
ほんの一か月前まで大学生だった面影をそのまま残して、彼はその対応を懸命にこなそうとしていた。
そんな夏目に声を掛けたのは、一通り挨拶が済んだ輩達がいなくなってからだった。
「疲れたでしょう。」
突然横から声を掛けた俺に、夏目は急に振り向いた。
「い、いえ……」
俺も両親に世話になった関係だと、一瞬で察したのか、ついさっきまで見せていた大学生のあどけなさを、必死に隠そうとしていた。
「それにしても、すごい数の人達だった。でも無理はない。あなたのお父上は、とても慕われていた方だったからな。」
今まで対応してきた人間とはまた違う雰囲気の俺に、夏目はまだ警戒心を解かなかった。
それでも熱心に彼に話しかけ続けたのは、俺が“両親を慕って”来た人間ではない事を知って欲しかったからだ。