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Gentle rain

第7章 心と体

その話を聞いていた俺は、興奮して立ち上がった。

「いつだ!いつの話だ!!」


太我はそんな俺を椅子に座らせ、また酒を注いでくれた。


「美雨が高校を卒業して、大学に入学する前の時だ。」

「許せん。三科紘文は、そんな奴だったのか!!」


怒り狂う俺を横目に、太我は意外と冷静だった。


「太我?」

「ああ…」

また静かに一点を見つめる太我に、俺も酒を注いだ。


「その後だった。三科の兄貴が、自殺したと聞かされたのは。」


酒を注ぐ手が止まり、俺はゆっくりとワインのボトルを、テーブルの上に置いた。


「三科の兄貴も、俺は知っていた。俺達若手の中で、いつも話題になっていた。あのS社の三科という奴は、最も勢いがある人材だと。」

「そうだったのか。」


三科紘文が言っていた、『菜摘さんの為に、兄は頑張っていた』というセリフと一致する。


「だが、そのやり方も話題の一つだった。」

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