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Gentle rain

第7章 心と体

今まで疑問に思っていた事が、一気に解決した気がして、急に酔いが回ってきた。

「大丈夫か?階堂。」

「あっ、ああ……」

太我は席を立つと、キッチンへ行って、水を汲んできてくれた。

「すまない。」

俺はそう言って、太我が汲んで来てくれた水を、そのまま飲み干した。

「俺はあれ以来、三科には会っていないが、階堂は三科と親しいのか?」

「いや、たまたま通りかかる事が、多いだけさ。」

「そっか…」

太我は、背もたれに沿って、体を伸ばした。

「あいつは、根っからの悪人じゃない。階堂がたまに三科に会うというのなら、冷たくあしらわないでやってくれ。」

「美雨を襲った犯人なのにか?」

身体を伸ばしている大我と、酔って項垂れながら水を飲んでいる俺の目が合う。

「それもそうか。階堂は美雨を愛しているんだっけ?」

「ああ、そうだよ。美雨に手を出すなんて、一生許さない。」

そう言って、二人で気が抜けたのか、ふはははっと力無く笑った。

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