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Gentle rain

第3章 愛してるの基準

「だって階堂さん、モテそうだと思うのに、どこか恋愛に冷めていて。そんな階堂さんを熱くさせる女性って、どんな人なのかなって考えたら、途端にワクワクしてしまって。」

「そうですか?」

恋愛に冷めていると言われて、ため息をついた。

確かにそうだ。

愛してるなんて、二人の気持ちが燃え上っている時に一緒に見る夢のようなもので。

その夢が冷めてしまったら、自分でも相手の何にこだわっていたのかすら、思い出せなくなる。

仕舞には、お互い男としての、女としての役割を果たしていれば、それでよくなる。


「……もしかしたら、もう出会っていらっしゃるのかしら。」

「さあ?どうなんでしょうね。」

そして菜摘さんは、再び笑い出す。

「何だか階堂さんの『どうなんでしょうね。』っていう口癖。しばらく頭から離れなさそう。」

菜摘さんの笑っている姿を横目に、俺は菜摘さんの質問を思いだしていた。

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