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Gentle rain

第4章 偶然

お金を入れた後は、お釣りが50円だから、レシートと50円玉を取り出して、トレーの中へ。

「50円のお釣りでございます。お確かめ下さい。」

お客様がお釣りを中に入れると、今度は店長の出番だ。

「ラッピングが済みましたら、お持ち致します。それまで店内をご覧になって、お待ち下さいませ。」

“はい。”と小さく返事をすると、お客様はまた奥の棚の方へと行ってしまった。

「はあ。緊張しました。」

私がそう言うと、店長はすぐに口元へ指を持って行った。

「シッ!まだお客様は店内にいらっしゃるのよ。お客様は夏目さんが新人だって知らないんだから、自分が緊張させた誤解しちゃうわよ。」

「すみません。」

叱られた後、チラッとお客様を見ると、私の声は聞こえていなかったらしく、のんびりとまた商品を見ていた。

とりあえずほっとする。

すると店長が私の耳元で、

「これでレジもバッチリね。」

と、お墨付きをくれた。

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