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Gentle rain

第4章 偶然

「お客様、お待たせ致しました。」

私が袋を差し出すと、先ほどのお客様はパアッと笑顔になった。

“この仕事をやっていてよかった”そう思える瞬間だ。

「ありがとうございました。」

頭を下げて、お客様を見送る。

気に入ったら、また来てほしいな。

そんな思いでいっぱいだった。

満足感たっぷりで、身体をお店に向けると、工藤さんが店の奥から大声で叫ぶ。

「夏目さん、在庫チェックお願いできる?」

「はあ~い!!」

私も大声で叫ぶと、大きく手を振った。

意外と、在庫チェックは好き。

お店の中にある雑貨を、全て見て回れるから。

毎日同じ物を見ていても、飽きない。

私の至福の時間。

な~んて、本当は足りなくなったものは、発注しなきゃいけないから、油断はできないんだけどね。

少し楽しみながら、そして真面目に仕事をしながら、私は一つ一つ、数を確かめていた。

その時だ。



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