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同じ空の下で

第9章 雷雨

いつもと変わらない一日

金曜のその日は兄が帰ってくる日だった


夜8時頃

兄を駅まで迎えに行く父は

いつものように私を誘った

兄が好きだった私は、私へのお土産を持って帰宅する兄を迎えに行くのが好きだった


兄が家を出てから、ずっとそうしてきたこと


特別な用事がない限り、私が父の誘いを断ることはしなかった

いつも駅前のロータリーの決まった場所に車を止めて、駅から出てくる兄を探す






でもその日、私は行かなかった


どうしてだかはわからない…



何か用事があったわけでもないし

兄の帰りを楽しみにもしていた



でもその日は行かなかった




そして

買い忘れたものがある、と
いつもは家で待つ母が

その日は父と迎えに行った


両親が出掛ける時

リビングでテレビを見ていた私は

振り返りもせず

声だけのいってらっしゃいをした














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