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同じ空の下で

第9章 雷雨

思春期に差し掛かっていた私は

その頃、小さいときのように両親にくっついて出掛けることが

少し気恥ずかしく

少し疎ましく思うことがあった





あの日…

一緒に兄の迎えに行かなかったこと



あの日も

それからの日々も

ずっと後悔し続けた



一緒に行ってさえいれば

きっと一人になることはなかった



家族に置いていかれたと思った


少し前に戻れたとして



そうしたら

今度は父の誘いを断らずに

一緒に行く


結末がわかっていたとしても

兄を迎えに行く




時間が戻せたら…

どんなに願ったかわからない







でも

もちろんそれは叶わない


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