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同じ空の下で

第9章 雷雨

雨はますます激しくなっているようだった

屋根に打ち付ける雨音が、台風の時のようで

風も強くて


私以外誰も居ないリビングに不穏な音だけが響く


一人の時間が凄く長く感じて

何かテレビを見てたけど、内容は全然頭に入ってこなかった


時計ばかりをみてた…


一緒に行かなかったことを後悔して…













いつもならもう、帰ってきてもいいくらいの時間が流れた


でも、帰ってこない


どこかに寄ってるのかな…とか雨で道が混んでるのかな?とか

そう思っても不安は募っていく


雨は少し弱まったようだけど、その分雷の音は近づいてるような気がした

怖いと思いながらも
真っ暗な夜に雷が光っているのが
きれい…とも思って

出窓のそばでしばらく外の稲光を見ていた




時間だけが過ぎてなんの連絡もなく

不安はさらに募っていった


兄の携帯に電話をかけた

呼び出しはなるけど兄は電話には出ない


母の携帯をかけると
台所のカウンターの上で聞き慣れた着信音が聞こえた

母の携帯はカウンターのいつもの小さな藤のかごに入っていた



玄関の扉を開けて
少し下がったところにある駐車場を見てみる

稲光がその場所を照らすけど
車はない…






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