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同じ空の下で

第17章 もう一度

勤務している職場で

時々、自分の休みの日に

ほかの部署を手伝っていた


手伝うといっても

そこは子供たちがいるところで

一緒に遊んでいるくらいのこと


閉ざされて制限された生活の中でも

子供たちが見せる笑顔は輝いていて

いろんなことに興味を持ち

新しく知り得たことに目をキラキラさせる


私がしている髪留めなんかさえ

新しいものをめざとく見つけてくれる


子供たちの今しかない一瞬の輝いた時間



私はその時間が共有出来ることがありがたくて、好きだった



いつもと違う大人がいることで

子供たちは刺激があって喜んでくれる




もうすぐひな祭りというその日も

その部署の同期に誘ってもらい

お手伝いにいった



でも、絵心なんてまるで無いから

いつも通り、絵本を読んだり、ピアノを弾いて一緒に歌ったり


やっぱり一緒に遊んで過ごしていた


小さな子が膝に乗ってきて

絵本を一緒にのぞきこむ…


時折振り返って私を見上げる

私と目が合うとにっこりする



そんな時間が

本当に好きで心癒される時間



手伝いの役にはたたず

子供と一緒になって遊ぶことしか出来ないけど

それでも、そこでは歓迎してくれて

部署をまとめる先輩たちも

受け入れてくれていた





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