同じ空の下で
第26章 ずっと呑み込んできたもの
一人きりの時間のながさ
頼る人がいない心細さ
自分の中に渦巻く
闇の中に沈み混むような気持ち
そのどれもが
あの日が始まりになっていて
始まりはあっても終わりはなくて
生きている限り
…もしかしたら命がなくなっても
続くのかもしれないと感じて
どんなに謝られても
時を戻すことはできないし
失われたいのちも甦ったりしない
家族は戻らない
1度も直接の謝罪を受け入れない私のもとに
毎年手紙が届きます
命日近くに必ず届く封書を
1度も開けたことはないけど
引っ越しのたびに込み上げるものを堪えながら、持ってくるのも事実
今ね
自分が幸せだと思えて
10年以上の時が経過して
あのときお腹の中にいた子はいくつに
なったんだろうと思うことがあります
男の子だったのかな…とも思いを馳せることがあります
きっと今年もまた届く手紙
もう、解放してあげたい
十分ですと伝えることができたら、どんなにいいだろうと
そう思っています
思いには浮き沈みがあるけれど
時は戻せないから
もしも…はないから
だから、前を向いて
私だけでなく、きっと一部が止まったままのその人の時間も、進められたらな
とそう思えています