同じ空の下で
第26章 ずっと呑み込んできたもの
その事に向き合えるようになったのは
かなりの時間がたってからで
自分の置かれた現実をわかったとき
深い悲しみと同時に
それまで感じたことのない憎しみの気持ちにおそわれました
亡くなった両親と兄の
痛みと恐怖はどれ程のものだったか
無くした未来の重さは何にも変えがたく
私の家族を一度に奪ったその人が
憎くて憎くて
その時、お腹の大きな奥さんの姿を思い出して
同じように苦しめばいいと思いました
実際に会って謝罪したいと言われたのは
3年後
当時、事故を管轄していた警察署の人が来て
その事を伝えてきました
警察官が
相手の方も苦しんでる…
と言いましたが
私にはそれはわかりたくない感情で
当たり前だと思っていました
むしろ、苦しみが足りないと思ってました