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第15章 Side Tatsuya 2

「中丸は頼ることに慣れてねぇだけだろ。これから慣れればいいって。」

聖が隣で笑う。

「そうそう。俺らを見本にね!」

田口もそういって笑う。

「あ、ちょっと俺、トイレ行ってくる。」

「俺も!」

小学生みたいな理由で俺らを部屋に2人にしてくれた。

「急に大きい声出してごめん。」

「いや、上田の言うことも最もだし、いいよ。」

「俺、中丸と連絡が取れなくなってからすっげー不安で、不安で仕方なかった。」

手を握りながら話す俺の言葉をうなずきながら、優しく聞いてくれる。

「いつも、中丸もこんな気持ちなの?」

「俺は、まあ、そうかな。でも、最近は上田なら大丈夫かもな、って思えるようにもなってきた。ちょっと安心がでてきたかな。」

「俺も出てくるかな?」

「出てきてほしいよ。だって、俺が心配ってことは、俺が弱々しいってことでしょ?」

「弱々しいじゃん。」

「そのイメージを払拭しないと。」

「無理だね!」

「そんなあっさり言うなよ!」

気づけば、深夜の病室に笑顔があった。

そのとき聖と田口が廊下で立ち聞きしてたなんて知らなかったから、あとであんなに茶化されるとは思ってなかったけど・・・

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