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第2章 Side Yuichi

「最近、盗品についての依頼がすごく多いんだよね。」

「詐欺?強盗?」

「強盗・・・とは言えないかな。
美術館とかを狙ってるらしいんだけど、それがまた、大きいところじゃなくて、経営で困ってるような美術館とか、ちょっとワケありのところとかでさ・・・」

「警察に話したいけど話せないようなとこ、ってことだな。」

「美術館でワケありってどういうことだよ(笑)」

「さあ?でも美術館がワケあり、というよりその人がワケありっぽいけど。」

「整形で顔を変えた殺人犯とか?」

「顔変えてたらいいじゃん。」

「指紋とか調べられたら終わりじゃん。」

「あ、そうか。」

「いや、その話はいいんだよ。
俺が言いたいのは最近そういう盗品関係の噂知らないか、ってこと。」

「それ、全部同じ犯行、って思ってるの?」

「うん。手口が全部完璧だしね。
ここまで完璧なの、複数いたら日本の警察が大変だよ。」

「あのさ・・・」

「ん?」

「盗品オークション、っていうのがあるらしいんだけど・・・」

「あぁ、海外でもたまにあるって聞くね。」

「噂だよ?あくまで噂だからね?」

「そんな念を押さなくても誰も田口が言ったなんて言わないから。」

「うん・・・。
そのオークション、日本でも今度やるらしいんだよね・・・。」

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