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第13章 Side Junnosuke 3

肩を貸したときに聞こえてしまった声。

自分1人で抱え込んじゃう中丸君の悪いところ。

「誰も迷惑なんかしてないよ?だから、心配しないで。」

足を引きずりながら中丸君がこっちを見た。

勝手に聞いちゃったの、怒ってる?

「サンキュ。」

一言、そうつぶやいた。

でもその瞬間、後ろから別の声がした。

「逃がすか!」

ハッと振り返るとすぐ目の前に聖の背中があった。

「田口・・・先行け。」

「う、うん。」

あまりにも急すぎて、聖がどうしてこんなに近くにいるのかも分かんないけど、詳細を聞くより、今は中丸君をここから連れ出す方が重要だと思って従った。

状況は後で聞けばいい。

「中丸君、車どこ?」

「ついてきてくれたらいい。」

「ちゃんと口で言うか、考えて。今中丸君に1人で歩かせたら俺が後で全員に怒られるから。」

「・・・分かった。」

すぐに俺が来た道から部屋を出て中丸君を車に運んだ。

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