
スキをちょうだい。
第5章 亀裂ノあいだ
それからも君から連絡がくることはなかった。
もしあったとしても、オレは君と距離を置いただろう。
きっと、この事件は、分岐点だ。
普通の幸せへの道か。
歪んだ快楽の果てか。
君にはどうか上をいってもらいたい。
カノジョとずっと、いや、彼女じゃなくても、女の人と幸せになってもらいたい。
オレという存在を忘れて、生きてほしい。
だけど、それを阻止しようとしている自分がどこかにいる。
ーー怖い。苦しい。スキだ。嫌だ。離れたくない。スキだ。スキだよ。愛してる。怖い。ーー
あぁ、君の近くにいたら、オレは爆発してしまいそうだ。
だから、距離を置くよ。
もうオレたちは終わりなんだ。
もう終わりなんだ…‥。
