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スキをちょうだい。

第8章 好きをちょうだい



「スキ、を、ちょうだい」


 静かな間。

 心臓の鼓動がうるさいと感じる一方、居心地がいいと思える静寂だった。
 
「航太」

 環は相手の名前を呼んだ。

 上目遣いで、自分を見上げる愛おしい彼を、そっと抱き寄せる。


「スキだよ」


 その言葉は、鼓膜を通って、体中を巡った。

 欲しくて、欲しくて、たまらなかった言葉。

 涙が出そうになるのをこらえて、航太は環にキスをした。

 昼休みが終わるチャイムが鳴っても、ずっと、ずっとーー。
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