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月の蜜

第2章 お嬢様の我が儘

─────一人分の呼吸音しかしない温室。

アコは死んだ女の頬にカッターで星マークをつけた。

「もしもし、パパぁ?あのね、死んじゃったぁ……うん、そうなの。だからね、この処理お願いしていい?

そっか、ありがと、パパ!大好きだよ!」

電話口に無邪気に笑ったアコは血液の臭いが充満する部屋を後にした。


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