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秘密のアルバイト

第10章 もう1つの秘密

「あっ、いたいた・・・和也君!」


午後からの授業を受けに向かっていると、声をかけられた。

背中にゾクゾクっと寒気がはしり、俺は足を止めた。

近付いてくる足音に、恐る恐る振り返ると、
笑顔の櫻井が駆け寄ってきた。


「よかった~、和也君に会えて」

「何?俺今から午後の授業なんだけど」

「和也君、もしかしてさ、ペンとか無くしてない?」

「あぁ、昨日から無くて・・・
えっ、何?お前知ってるの?」

「昨日図書室で、和也君が座っていたところに落ちていて、もしかしてって思って、聞いてみたんだ」

「昨日から探してて・・・
入学祝でもらった大事な物なんだ。
ありがとう、助かったよ」


カバンから取り出した物を受け取ろうと手を出すと、ペンではなく、小さな紙を1枚渡された。


「何これ・・・」

「んっ?・・・それ俺んちの住所」

「ペンは?ペンはどこなの?」

「家にあるよ、今は持ってない。
和也君のか確かめてからと思ったからさ」

「何だよそれ。
大事な物なんだから、頼む返して」

「そんなに大事な人からもらった物なの?」

「まぁ・・・だから返して」

「午後の授業終わったら、俺んち来て。
初めて会ったあのコンビニの近くだから」


コンビニの近く?

・・・っと言う事は、事務所の近くって事だよね。


「これはまずいぞ・・・」

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