テキストサイズ

秘密のアルバイト

第12章 おかしな雅紀

朝になり、先に目を覚ました俺。

隣には俺と同じ、裸で寝ている雅紀がいる。

諦めると言う条件とは言え、幼なじみの雅紀としてしまうなんて・・・

こんなことしてよかったのだろうか?


「雅紀、いつまで続けるかわからないけど、今やっている仕事、お前にはずっと話せないと思う。
よくわからないけど、今はまだ、この仕事辞めたくないんだ。
それと、お前の気持ちに答えてやれなくて、ごめん。
お前とは、いつまでも友達でいたいんだ」


そんな事を思いながらシャワーを浴び、いつもは雅紀がしてくれる朝食の準備を、俺がした。


さぁ、そろそろ雅紀を起こすか・・・


「お~い雅紀・・・そろそろ起きろ!」

「う~ん・・・」

「雅紀・・・雅紀、パン焼けたぞ・・・起きろ!」

「わかった・・・」


起きてきた雅紀もシャワーを浴び、そして一緒に食事をした。

何だかお互い照れくささもあり、会話もなく、ただ二人とも携帯をずっとさわっていた。

食べ終わり、後片付けをして大学へ行く準備をした。

玄関で靴を履いていると、後ろから雅紀が抱きついてきた。


「かず・・・」

「何?どうしたの・・・?」


俺を振り向かせた。


「何かお前を困らせたみたいで・・・ごめん」

「別に困ってなんてないよ。
今まで通り、いつでも遊びに来いよ」

「ありがとう・・・かず・・・」

「・・・あっ」


雅紀とは、これが最後になるであろうキスをした。


「ンフッ・・・ハァン・・・」


長いキス。

たぶん1分くらいは舌を絡めあったかも。


「そっ、そろそろ・・・行こうか?」

「あぁ、うん・・・行こうか」


家を出で、大学まで歩いていく。

何も話さず黙ったまま、二人並んで歩いていく。


「じゃあな、かず」

「おぉ、雅紀またな。
またいつでもいいから、遊びに来いよ!」


大学に到着し、俺達は別れた。

これが自分の中から何とか見つけ出した、雅紀への言葉だった。










ストーリーメニュー

TOPTOPへ