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秘密のアルバイト

第16章 言いなり

早く帰ろう。
少しでもここには居たくない。

あらためてこの大学の広さを実感した。
あの部屋を出てから学生の姿を目にするまで、どれだけ歩いたか。

誰も俺があんなことをさせられているなんて、あんなに大きな声で喘いでいる事に、気付いてないだろうね。

気付くはずないよね、あんなにも離れている部屋なんだから。


潤・・・会いたいよ・・・

でも、もう・・・会えないよ。

俺・・・汚れちゃったもん。


しばらく実家に戻ろう。

誰にも会いたくないし、話したくない。

部屋を少し掃除して、実家に帰ろう。







「あっ、和也君だ!
和也く~ん・・・?和也く~ん!
あれ、聞こえないのかな?
でも和也君、何か元気ないし顔色も悪いけど、どうしたんだろう。相葉、何か知ってるかなぁ・・・」







「へ~、そうなんだ・・・あっ、和也だ!
ごめん、用事思い出したから行くな。じゃあ6時な。



お~い、和也!・・・和也なに慌ててるの?」

「さっ、智・・・」

「おいお前、すごい顔色悪いぞ。
どうした、体調でも悪いのか?」

「いえっ、何でもないです。
じゃあ・・・失礼します」

「おいっ、ちょっと和也・・・ちょっと待って!
何だあいつ・・・どうしちゃったんだろう?」










「おいっ、かず!」

「あっ、潤・・・」

「どうした?顔色悪いぞ・・・かず?」

「来ないで!」

「どうしたの?何かあったの?・・・おい、かず」

「ごめん潤・・・
俺・・・俺もう潤と会えないよ」

「ちょっと待ってかず!」



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