テキストサイズ

秘密のアルバイト

第19章 ちょっとだけ雅紀side2

あれからかずと口をきいてない。
目も合わせてくれない。

あのときもそう。
櫻井と一緒にいたとき、あいつに声をかけられたら答えて、俺の事は無視。

俺のやった事は間違っていたのかな?

・・・間違っていたのかもな。

仕事を辞めさせたくて、先生にちょっと脅してもらうだけだったのに、何がどうしてなのか、あのまま関係は続いている。

俺も名前を伏せて変装をして、かずの撮影相手をした。

これは間違った行動以外の何物でもない。

俺に何か出来ることはないのか?

また昔のような友達に戻るには、俺はどうしたらいいんだ。



・・・あっ、かずだ!

いつもと同じほうへ歩いていく。

また・・・部屋に行くんだな。


もう、我慢の限界だ!

確かにはじめは俺が頼んだ事だけど、あんなにもやつれるまでとは言ってない。

じっとしていてもどうしようもない。

先生に話をしに行こう。


かずに気付かれないように、後ろを付いていく。

でも先生の部屋、こんな方だっけ?

どんどん人気がなくなっていく。


えっ⁉・・・こんな奥の部屋?
いつ部屋を変わったんだ?

そんな事を思っていたら、かずが部屋の中に入って行った。

俺は離れた場所で、しばらくじっとしていた。

その場で立ったり座ったり、もしかしたらすぐに出てくるかも・・・なんて考えたりしていたら、30分くらい、時間が経っていた。


「やっぱり・・・行こう!」


部屋に向かった。

ドアの前に立ち、大きく深呼吸をした。


コンコンッ!コンコンッ!


「先生・・・先生いらっしゃいますか?
先生!」

「はいっ・・・どなた?」


ドアが開いた。


「あぁ、君か」

「先生ちょっといいですか?」

「少しなら・・・申し訳ないけど忙しいんでね」

「失礼します」


かず・・・どこにいるの?




ストーリーメニュー

TOPTOPへ