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秘密のアルバイト

第20章 ちょっとだけ潤side

どうしてかずは、俺に何も話してくれない?

俺がこんなにも大好きなのに、どうして隠し事をするの?
仕事も突然辞めるなんて言い出して・・・

あらから本当に、LINEも何も送ってくれない。

俺の事が嫌いになったのか?

一体かずに何が起きているんだ?

勉強も仕事にも集中できない。



・・・あっ、かず・・・

どこに行くんだ?

やっぱり元気がないし、もともと食が細く、痩せているかずが、またさらに痩せたみたいだ。
痩せたと言うよりかは、やつれたって感じ。

授業は終わっているはずだけど、どこへ行くんだろう?

声をかけたい。
追いかけて、後ろから強く抱き締めたい。

でも今のかずは、それを望んではいないだろう。

歩いていくかずの後ろ姿を、寂しく見送った。


その姿を見るのは1日だけではなかった。
毎日毎日、いつも同じ時間にいつも同じほうへ歩いていく。


「あいつは毎日、どこへ行くんだろう?」


俺は付いていくことにした。
気付かれないように、少し離れてついていった。


「んっ?
この建物は、今ほとんど使われいないはず。
どこへ行くんだ?」

「お~い、松本!」


びっくりして振り返ると、大野が俺を呼んでいた。

ヤバイッ!
かずに気づかれちゃう。


「松本、何してんの?
ここ、ほとんど今使われていないんだろ?」

「う・・・ん、そう・・・だな。
ところでお前はこんなところで、何してんの?」

「おぉ、何か静かな部屋がいいっていう先生がいて、資料を届けるように頼まれたんだ」

「へ~・・・そうなんだ」


話ながら周りを見ると、もうかずはいなかった。

・・・!!


「なぁ大野、俺も一緒に行ってもいいかなぁ?」

「うん、いいよ。
お前今日仕事入ってる?
入ってなかったらめしでもどお?」

「えっ⁉・・・あぁ・・・いいよ」

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