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秘密のアルバイト

第21章 戻れるの?

「俺にはそれが出来るって事ですよ」

「君みたいな学生に、何が出来るって言うんだい?」


潤・・・


「俺、ここの理事長の・・・む・す・こ」

「えっ・・・⁉」


・・・!?


「いい加減な事・・・言うんじゃないよ」

「いや、マジなんで。
別に調べてもらっても構いませんよ」

「・・・」

「自分の教え子に、しかも男の子にこんな格好させて喜んでいたなんて知ったら、学校の先生方や、綺麗な奥さん、可愛い子供さんもビックリでしょうね」

「それは・・・」

「二度とかずには近付くな。
それと俺達には一切関わるな。
もしも守ってもらえなかったら・・・わかりますよね



先生は黙ってうなづいた。


「よしっ・・・と言うことでかず、帰ろう」


もういいの?
もう言いなりにならなくてもいいの?

早くこの部屋から出たくて、急いで服を着た。

先生は黙ってうつむき、ソファに座った。


「かず、大丈夫?さぁ、帰ろうか」


潤に支えられながら、部屋を出ようとした。


「二宮君、ありがとう・・・ごめんね」

「失礼します」


振り向かずに部屋を出てドアを閉めた。

嬉しさと、疲れと、今までまともにご飯を食べていなかった空腹感が一気に訪れ、廊下に座り込んでしまった。


「かずっ!大丈夫?気分でも悪いの?」

「うぅん、違うんだ。
何か安心したら、お腹も空いたし、力が抜けちゃってね」

「何だ、ビックリした・・・
俺がご飯を作ってやるから、うちおいで」

「いいの?」

「何言ってるの。いいに決まってるでしょ」


嬉しさのあまり、思いきり潤に抱き付いた。


「おいおいかず、ここはめったに人は来ないけど、学校ではこう言うことするのはマズいよ」

「ごめん、潤・・・ンフッ!」


久しぶりの潤とのキス。


「潤・・・」

「へへっ!やっぱ俺も我慢できなかったよ」

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