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秘密のアルバイト

第22章 潤のもとへ

缶ビール片手に俺の隣、ベッドに座った。


「でも金や親のコネじゃなく、かずと同じ、ちゃんと勉強して受験して入ったんだよ」

「でも潤が女の子じゃなく、その・・・
男と付き合ってるって知ったら、ショックを受けるんじゃないかなぁ」


将来は親の後を継いで、大学の理事長に・・・
なんて事もある人なんだから。


「そのへんは大丈夫」


ベッドの横の小さなテーブルにビールを置いた。
そして俺の頭を、小さな子ように優しく撫でた。


「大学入ったときに、カミングアウトしたから。
それに、今かずと付き合ってる事もはなしたよ」

「えっ⁉それマジ⁉」


疲れも眠気も一気にふっ飛んだ!


「そんな事して大丈夫なの?」

「全然大丈夫。かずは何も気にすることはないよ。
さぁ、もういい?」


立ち上がろうとする潤の腕を強く掴んだ。


「今度はどうしたの?」

「潤、そばにいて・・・お願い」


目をそらす潤。
何かおかしい。


「いやっ・・・
一人でゆっくり・・・したほうがいい・・・から」

「嫌だ!
せっかく潤と二人きりになれたのに、俺寂しいよ」


潤の手を引き寄せ、自分の頬にあて、スリスリした。
潤の顔が少し近くなった。


「かず・・・」

「潤・・・」


しばらく見つめあった。


「かず、体はもう大丈夫か?」

「うん、いっぱい食べていっぱい寝たから大丈夫」

「疲れは・・・とれたか?」

「うん、もう全然とれてるよ」

「かず・・・やっぱ俺無理!」


布団を思いきりめくり、俺に覆い被さりキスをした。


「かず・・・かず・・・」

「ンフッ・・・潤・・・潤・・・」


腕を首にまわし、舌を絡めあった。
会えなかってこの数ヵ月、触れられなかったこの数ヵ月分を取り戻すように絡めあった。







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