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秘密のアルバイト

第23章 バイト復帰

「まぁ簡単に言うと、DVDを見ている人とデートをする・・・みたいな感じ」

「・・・?」

「相手はいないけど、いるかのように一人で演じてもらいます」

「え~と・・・一人でですか・・・」

「大丈夫、難しくないから。
カメラの後ろから、色々指示出すからね」

「はい、やってみます」

「じゃあ、今度は向こうで打合せしてくれるかな?」


いつもの打合せ場所に移動した。


「やぁ、二宮君久しぶりだね。
どうしてたの?もう辞めちゃったのかと思ったよ」

「あっ・・・その・・・すみませんでした」

「また一緒に仕事ができて嬉しいよ。
じゃあ早速打合せしようか」

「はい・・・」


俺の背中に手を回すカメラマン。
潤のお兄さんより、この人のほうが俺は警戒してしまう。


「内容はね・・・
彼氏との久しぶりのデートから帰ってきて、しばらくまったりとします。
帰りに買ってきたケーキを仲良く食べる。
そして雰囲気がよくなってきて、彼氏のを口でしてあげる・・・て感じなんだけど」

「えっと・・・つまりそれを、カメラに向かって一人で演じるって事ですね」

「そうそう。
ファンの人が君とデートして、その後二人きりになって、最後は君に口で奉仕してもらうと言う、妄想するDVDってわけ」

「はぁ・・・なるほど・・・」

「じゃあ、始めようか。一番奥の部屋に行ってくれるかな?」


俺は潤と付き合っている。
男が好きっ・・・と言うか、潤が好き。

この仕事をして一年位になるけど、未だにこちらの世界観が掴みきれていない。

いつもみたいに裸になって、いじられ擦られ突っ込まれ、アンアン喘ぎ声を出すって訳じゃない。

果たして、そんなDVDを見て喜ぶ人なんているんだろか?

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