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秘密のアルバイト

第24章 復帰1段

ソファの上でふて寝する俺。

その仲間って人には悪いけど、俺すねちゃっていい?
帰ってきても口もきかず、ベッドの部屋にこもってもいい?


「だって、そんな気持ちにさせた潤が悪いんだよ。
俺じゃないもん」


そんな事をぶつぶつ言いながら、潤の帰りを待った。


「帰ってきても、お出迎えしてあげないから」


ーガチャッ!!ー


「ただいま~!」

「潤、お帰りなさ~い!」


体が勝手に反応してしまった。


「遅くなってごめん」

「潤、寂しかった・・・あっ⁉」


駆け寄り抱きつこうとすると、潤の後ろに見慣れたと言うか、見知った顔が見えた。


「お前・・・何で?」

「よっ、よお・・・久しぶり」

「俺が誘ったんだ。さぁ、上がって」

「お邪魔・・・します」


俺はソファに戻った。


「適当に座ってて。
すぐ食事の支度するから、コーヒーでも飲んでゆっくりしてて」

「ありがとうございます」


ソファに座り背を向け、黙って飲み残しのコーヒーを飲んだ。

仲間って言うから、モデル仲間や友達を想像していたのに、誰かと思えば・・・


「かず、久しぶり。元気だったか?」


それは雅紀だった。

潤は何を考えているんだ?
俺にどうしろと言うんだ?


「まぁな・・・」

「そう・・・よかった・・・」

「・・・うん」


会話が途切れる。


潤に話を聞いて、雅紀を許すと言ったけど、いきなり会ってどうしていいのかわからない。
俺も雅紀にかける適当な言葉が見つからない。

聞こえるのは、食事の準備をする音だけ。

間が持てなくなった俺はリモコンに手を伸ばし、テレビをつけた。


「お待たせ。
時間がなかったから、簡単にパスタにしたよ」


リビングまでパスタを持ってきてくれた。




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