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秘密のアルバイト

第36章 決断・・・2

社長は黙って前を見たまま。


「社長・・・この仕事、辞めさせてもらえませんか?」

「理由は?・・・今回の事?」

「今回の事ばかりではないです。
あのお休みを頂いているときに、実は辞めようと思ってたんです」

「潤から聞いてたよ。理由はわからないけど辞めたいって言ってるってね。
でも俺が休みにしておくって言ったんだ。
もしよかったら、その時何があったか話してくれる」

「・・・はい。実はあのとき・・・」


思い出したくはなかったけど、全部社長に話した。
雅紀が原因だけど、雅紀のお陰で潤に助けてもらえたこと。
そのときに潤が、理事長の息子だと言うことを知った事も。


「そうだったんだ・・・
一人で耐えて、辛かったね。
俺に会わなかったら、そんな辛い思いしなくてすんだのに・・・ごめんね」

「そんなことないです。
やると決めたのは俺自身なんですから。
でも正直、長く続けられる仕事じゃないかなってのもありますし、それに・・・」

「それに?」

「潤以外の人とその・・・Hすることが心苦しいと言うか、潤以外の人とHしたくないなって思ったんです・・・あっ、すみません」

「いいよ・・・潤に何か言われたの?」

「言われたのは言われましたが、元々自分で考えていたことなので・・・」

「・・・わかったよ。
俺も少し考えさせてくれないかな」

「はい・・・すみません」

「今までも1、2年で辞めていくモデルはいっぱいいたけど、君が辞めるのは本当に寂しいよ。
仕事としてじゃなくて、俺自身が・・・」

「社長自身が?」

「いや・・・何でもない。
ありがとう。本当に今日は悪かったね。
二宮君・・・」


唇を近付けてくる社長。


「あっ、ごめん・・・また俺・・・あっ」

「社長、ありがとうございました。失礼します」


キスしようとして止めた社長に俺からキスして、車を降りた。





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