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秘密のアルバイト

第37章 潤の決断

ー少し考えさせてくれないかな・・・ー


社長は何を考えると言うんだろう。
正直、俺一人が辞めたところで、何も困ることはないと思うんだけど。
旅行に来ていたモデルは、可愛い子が勢揃いだったし、イケメンもかなりいたと思う。


ー俺自身が・・・ー


社長自身がどうしたって言うんだ?

あれから2週間、返事も、もちろん仕事の連絡もきていない。

この仕事を辞めたら、次のバイトを探さなくちゃね。
雅紀に頼んで、コンビニ紹介してもらおうかな?


「お~い、和也君!」


名前を呼ばれ振り返ると、櫻井が駆け寄ってきた。


「よかった和也君に会えて」

「かずでいいよ。・・・で、どうした櫻井?」

「じゃあ俺の事も翔でいいよ。
あのさ、ちょっと時間あるかな?
相談したい事があるんだけど・・・」

「相談?いいけど、食堂にでも行く?」

「いやっ、人に聞かれたくないから、人のこないあの場所がいいな」


コンビニにぬけるひとけのない場所。
缶コーヒー片手に、そこのベンチに座った。


「で、相談って何?」

「この前、お兄さんに声をかけられてね・・・」

「お兄さん・・・あぁ、潤ね」

「その時『お前って、超イケメンだよな。
モデルやってみるきない?』てね」

「ふんふん・・・で?」

「モデルってさ、和也・・・かずがやってる仕事だよね」

「まぁ、そうだけど・・・で?」

「いきなりだったから、返事にこまっちゃって」

「なんて潤に答えたの?」

「少し考えさせて欲しいって答えたよ」

「ふ~ん、そう・・・断りはしなかったんだ」

「だって『できません!』てすぐに断るのも、申し訳なかったからさ」

「本当にそれだけ?」

「それだけって?」

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