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秘密のアルバイト

第4章 もう一人のお兄さん

あっという間に、年は明けた。

あれから仕事の連絡はまったくこない。

もう俺は必要ないのかな?
あんなにも、俺をおだてるような事、いってたのに。

・・・んっ?
やっぱ俺、仕事の連絡がこなくて、残念に思ってる?

いやいや、受験に差し支えるかもしれないから、辞めようと思ったくらいなんだから、残念に思う事なんかないよ。

試験まであともう少し。
気を緩める事なく、頑張らなくちゃ!

机にむかうと、Line が届いた。
雅紀からだ。


『昼飯、食いにいかねぇ?』


あぁ、もうそんな時間か。


『いいよ』

『じゃあ今から迎えに行くね』


またLine 。
・・・あっ、お兄さんだ!


『可愛いかず、もうすぐだね。
勉強頑張ってる?


ーハイッ、頑張ってます!ー


かずに仕事をしてもらえなくて、事務所が寂しがってるよ。
早くかずを撮りたいってさ。

俺も早くかずに会いたいよ。


ー俺も・・・です!ー


じゃあ、頑張ってね』


何か疲れが一気に吹っ飛んだって感じ。
あともう少し、頑張れそう・・・俺。


「かず、お待たせ」

「お~!何食おうか?」


足取りも心も軽く、雅紀と出掛けた。


「雅紀、帰ったら一緒に勉強しない?」


俺は何だかやる気満々。



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