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保健室の扉の向こう

第3章 あまい罠

彼女は、視線を俺の目から外して小さな声で


「いえ…それはできたらの話です」



完全に酔いがさめているように見えた。でも赤い顔は変わらない。


「できたらって?」


「華川ユズ…さんと付き合ってるんですか?」


まさか。

そんなことあるはずがない。



でもおいしい話だな。




つくづく性格の悪さがにじみ出る。



「…付き合ってたら問題あるかな」



表情が一変した。


「問題ですよ…!」


「それは、俺のことが好きだからってことじゃないの」


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