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保健室の扉の向こう

第1章 優しさに囚われて

「成田…先生だっけ?」


目を輝かせてじっと見ていたせいで、ちょっとひかれているような気がした。



「…私の名前、憶えてくれてたんですね。光栄です!ところで…失礼ですけど貴方は?」


「あー…俺は、秋田秀也。ここの保健室の先生。何年かここにずっといるんです」


にこりと笑うその顔がすごく綺麗。細くなった目がすごく魅力的だ。



「あ、何年かいるんですよね?」


「まあね~。ほとんど何もなければ動くことないですし」


ここの学校の女子はこの先生狙いだな。どう考えても女子と男子の比率おかしいなーとは思っていたんだよね。


でも、先生なんもわかってないんじゃないかな。



「秋田先生は、にぶそうな方ですね」

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