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The man suitable for me

第5章 彷徨

「あなたに出会えて、本当によかった。」

私はカレの腕に、抱きしめられたまま、言った。

「僕もですよ。あなたと会えて、よかったです。」

「最後まで、お願いをきいてくれて、ありがとう。なのに、あなたの願いを叶えられなくて、ごめんなさい。」

約束していたことが、できなかったことだけが、少し心残りだった。

だけど、カレは優しく笑って、気にしないでと、言ってくれた。

私たちは部屋を出る前に、お互いの連絡先を削除した。

そして、私はカレとやり取りした全てを、削除した。

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