
~夢の底─
第4章 冬色午後
「─先週、チャンミンさんの部屋で話をしてたら、急に抱きついてきて、口も塞ぐんです」隣室の、壁掛け時計のオルゴールが鳴る。─ユノの眉がキリっと動く。「びっくりしたし─腹立って、ぼく怒ったんです」「怒った─」「はい。だってユノ先輩がチャンミンさんには、いるんでしょう?」「……チャンミンは、─どう云うつもりなのか─俺にも、判らない」「そしたら謝ってきました。軽率だったとか情けないとか、バカだったとか─、云い訳するんです」「云い訳。確かにそうだ」「─泣いてもいました」「…恥ずかしいだけの─話だな」ユノはヒースに向き直り、「嫌な思いをさせた。悪かった。…見境なくきみを傷つけて─許して、欲しい…」唇は震えていた。
「ユノ先輩」軽く息をひとつ吸い、「ぼくも、軽率でした─おふたりに…甘えてました」小さく、かぶりを振ると、「後輩だもの、甘えていい…」「でもぼくがチャンミンさんに…手紙渡したのも─考えなしでした。今思うと…」紺のコーデュロイのスラックスの膝に、両手を組み合わせて「─ユノ先輩。ご気分を悪くしたこと、済みませんでした」頭を垂れた。
「俺のこと…は、いいから」封筒を、ヒースの手に渡す。
「ユノ先輩」軽く息をひとつ吸い、「ぼくも、軽率でした─おふたりに…甘えてました」小さく、かぶりを振ると、「後輩だもの、甘えていい…」「でもぼくがチャンミンさんに…手紙渡したのも─考えなしでした。今思うと…」紺のコーデュロイのスラックスの膝に、両手を組み合わせて「─ユノ先輩。ご気分を悪くしたこと、済みませんでした」頭を垂れた。
「俺のこと…は、いいから」封筒を、ヒースの手に渡す。
