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~夢の底─

第4章 冬色午後

「僕も前はこんなじゃないはずだった」「チャンミン!」痛みに耐えかねる顔のユノに少し、笑顔を見せ、「─ア…、この時、覚えてる。風が熱かった…」窓枠の白の写真立て。笑顔で肩を並べる二人、遠くに椰子が揺れた……「この隅っこのちいさいお店。ザクロのお茶飲んだところ、だ…」
 口の端が、はにかんだ色になり、「また二人だけになりたい」口元の明るさはそのまま、チャンミンの両の瞳は青い湖を移した瞳だった。ユノが蒼ざめた唇が色を変えるほど噛む。








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