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私の彼は****が好き

第10章 イジワルな先輩に…………

「……これ見て」


「……?」


タケルが覗きこんだあたしの手のひらには、100円ライター。


「今日も触られたら、これで先輩の指を焼いてやろうと思ってた」


「…………」


あたしがマジメな顔でそう言うと、一瞬間をおいて、タケルはぷっと吹いた。


ぴりぴりしていた表情が和んだ。


それは良かったけど、おかしいかな?
けっこう真剣に考えた作戦なんだけどな……。


「……ああ、それで家出てコンビニ寄ったのか」


「え?あれも見てたの!?……いったいどこからあたしをつけてたの!?」


「………………アパートの下」


タケルは急に赤くなって、照れくさそうに小声で答えた。


アパート!?


「……タケル、……あたしのこと、心配してくれたんだね……?」


「バレたらなんて言い訳しようって……すごいドキドキした。オレ何やっんだろ…って我ながら思った」


「……うわぁ、全然気づかなかったよ……」


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