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Tears ~緑のしずく~

第6章 恋模様~橋上の月・再会Ⅱ~

あれから幾つもの季節が流れ
 幾つの月を夜空に
 数えたのか

  最初は覚えていたけれど
もはや 
記憶するのも面倒になった

〝約束の場所から離れてはいけないよ、けして私を追ったたり、ゆくえを探してはいけない〟

あなたの言葉一つを胸にいだいて
 約束を守ったのに
あなたは
 まだ 帰ってきてくれない

あなたが いつ帰ってきても良いように
 私 ここで待っている

時々 橋のたもとで
 うとうとと微睡んでいると

そっと手を引かれる
〝おいで、帰ってきたよ〟
〝嬉しい、やっと帰ってきてくれたのね、私のあなた〟

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