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Tears ~緑のしずく~

第6章 恋模様~橋上の月・再会Ⅱ~

どうして もっと早くに
 帰ってきて下さらなかったの?

のど元まで出かけた言葉を
 飲み込んで
あなた腕に飛び込む

ああ 
 あなたの胸はこんなにも温かくて
 あなたの腕はこんなにも逞しい

 やっと やっと
私のもとに帰ってきてくれたのね
私の、あなた

 頬を流れ落ちる涙を
あなたの熱いくちびるが吸い取り
 
 冬の夜の冷気で凍えきった
私の素肌を
 あなたの熱い唇がたどる

私は うわごとのように
 何度もあなたの名前を呼ぶ

 ああ
 やっと戻ったのね
私の、最愛のひと
 
  

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