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Tears ~緑のしずく~

第9章 切なすぎる、嘘。

〝昨夜は、どこに行っていたの?〟
〝高校時代の友達と飲んでたんだ〟
 私から
さりげなく視線をそらす
 あなた

 まなざしが遠い
 平坦な口調がかえって
わざとらしいと
 どうして気づかないの?

 いつものように夕食を作り
 あなたが以前 おいしいと
何度もほめてくれた
鯖の味噌煮を作ったわ

 いつか実家に電話したとき
私が鯖料理なんて作ったと話したら

 〝魚なんて見るのもいやだと行っていたおまえがねぇ〟
 信じられないって母が笑ってた 

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