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Tears ~緑のしずく~

第10章 別離~めぐり逢いの反対側~

それでも
心のどこかで 私
 いつも不安だったの

あなたは誰が見ても
 良い男だもの

優しい性格も
精悍なのに 微妙に甘さの混じった端正な顔立ち

 あなたと並んで歩くと
いつも 不安だった

こんなにカッコ良い男が
 私の彼氏なのよと
自慢したい気持ちと

冴えない平凡な私が
 あなたのような男には
ふさわしくないと皆に思われているのではないかと
 心では怯えていたの

 その度に
私の心の震えが伝わったかのように
 私の手を握ったあなたの手に
力がこもった

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